「ぜんざい」と「おしるこ」にも地域によって違う!
「ぜんざい」と「おしるこ」にも地域によって違う!
関西では、「ぜんざい」は粒あんの汁、「おしるこ」はこしあんの汁。

関東では、どちらも「おしるこ」と呼ぶ。

関東では、汁気のないあんこを添えたモノを「ぜんざい」と呼ぶことがある。

〇なぜ関西では、「粒あん(ぜんざい)」と「こしあん(おしるこ)」で呼び分ける?

その理由は、それぞれの成り立ち(※諸説あり)を知ればわかる。

先に生まれたのは「ぜんざい」。

室町時代の出雲の国、10月に「神在祭(かみありさい)」。

一般的には、10月のことを「神無月(かんなづき)」と呼ぶが、出雲の国には全国の神様が集まるため「神在月(かみありづき)」と呼んでいた。

「神在祭」で振舞われていた食べ物が、小豆を煮込んで「粒が残った汁」のなかに、神前に供えていた「餅」を入れた「神在餅(じんさいもち)」。

この「神在餅」が参拝者に評判に!

そこで参拝者が出雲の人に名前と尋ねたところ、出雲の方言のせいで、「ぜんざい餅」と聞こえてしまい関西には伝わったと言われている。

〇では「おしるこ」はどのようにして生まれた?!

江戸中期、江戸の町に砂糖が出回る。「小豆の粉をお湯で戻した汁」にお米でつくった「団子」を入れ、さらに「砂糖」を加えて食べた。

「(小豆の)粉の汁」なので、「汁粉(しるこ)」と名付けられた。

そして江戸後期、「しるこ屋」ができ、2種類の「しるこ」が売られるようになった。

まず小豆の皮を残した粒あんの「田舎汁粉(いなかじるこ)」。そして小豆の皮をこしたこしあんの「御前汁粉(ごぜんじるこ)」。

そして全国に広まった。

関西では、こしあんの「おしるこ」は、江戸から来た珍しい食べ物として広まった。

一方、粒あんの「おしるこ」は、既に「ぜんざい」があったため受け入れられなかった。

そのため、関西では、粒あんは「ぜんざい」、こしあんは「おしるこ」と区別して呼ぶようになった。


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