マスクの発祥は名古屋
新型インフルエンザの拡大で、マスクの売れ行きが伸びている。

特需に沸くマスク製造会社を取材すると「実はガーゼマスクは名古屋発祥」との情報が。海外でマスク姿の人があまり見られないのも、 マスクが名古屋をはじめ、日本で発展してきたからなのかも。

「確かに戦後、ガーゼを使ったマスクを商品化したのは名古屋だった」。天白区のマスク製造・販売「ヨコイ」の横井道夫社長(77)は胸を張った。
ガーゼマスクを開発したのは、横井社長の兄正男さん(90)。1950(昭和25)年のことだ。
それまでマスクといえば、工場などで防じん用として使われ、穴が開いた革製だった。

「革製は蒸れたので通気性を考え、名古屋周辺でよく製造されていたガーゼを使ったのがみそ。
家庭用として売り出した」。正男さんが創業した「白鳩」(南区)の担当者は説明する。横井社長のもう一人の
兄定雄さん(84)も同時期にマスクの製造を始めた。「横井定」(瑞穂区)だ。

さて、全国的に名古屋のマスクは、どのように位置付けられているのか。全国マスク工業会(東京都)
の藤田直哉専務理事は「医療用はかなり昔からあったが、ガーゼを使った家庭用マスクは名古屋が初めてと
言って良いのでは」と“名古屋発祥説”を支持する。“横井兄弟 ”の3社に加え、ほかにも数社がマスク製造を手掛けている。

新型インフルエンザ問題では、外国でマスクを着用するのは日本人ばかりと報じられている。
藤田専務理事は、理由を「家庭用のマスクは日本で生まれ、清潔好きな日本人に浸透してきた。
外国でマスクをする習慣がないのも当然だろう」と推察する。

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